デジタルマーケティングTips
Webサイト運用の安定化・コスト効率化を、CMS導入で実現するためのポイント
最近、大手企業サイトを中心に、大規模サイトをコンテンツマネジメントシステム(CMS)での運用へ移行させるケースが増えています。
CMSを採用する理由は、サイト運用のコストダウン、デジタルマーケティング施策の統合管理などさまざまですが、ここではサイト運用の安定化・コスト効率化をCMSで実現するためのポイントについてまとめます。
要点
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ポイント1:CMSの権限設定で複数人でも安定運用
CMSで許可される権限は「閲覧」「作成」「更新」「承認」「管理」などの機能や役割単位で設定されるのが一般的ですが、特に複数の制作会社が絡む多人数でのサイト運用の場合、サイトごと、コンテンツごとにユーザー権限を分けないと、機密保持上問題があったり、本来権限を持たないユーザーが間違って記事を承認・公開してしまうリスクがあったりなど、運用上不都合が出てきます。
これを解決するには、CMSにサイト単位・コンテンツ単位での権限付与ができるかがカギになります。
「○○さんはサイトAでは管理者だが、サイトBでは一般の記事作成者」
「△△さんはカテゴリCでは承認権限を持つが、カテゴリDでは一切権限を持たない」
のような細かい権限設定がCMSの機能に含まれていれば、サイトごと・コンテンツごとにCMSを個別に構築することなく、安全な運用が可能になります。
ポイント2:更新履歴・バージョン管理によるリスク軽減
多人数が関わるサイトの管理には、CMS上で記事ごとに履歴が残る機能が欠かせません。具体的には、記事の更新・承認・差し戻しについて日時、作業者、変更内容(コード差分&説明記載)の記録が残り、各バージョンが保存されていく機能が充実しているかが重要です。
ミスが起こった場合履歴をたどり、問題が起こる前の過去のバージョンを復元して再度正しく更新を行う、といったバージョン管理ができると、多人数の指示や報告が飛び交う中でも混乱を防げます。
ポイント3:CMSで複数ドメイン・複数サイトを一括管理
1企業で複数のサイトを持つケースは珍しくありません。日本国内向けとグローバル向けにドメインを分けたり、ブランドごとのサイトを独自ドメインで持ったり、その運営形態は様々です。これらのサイトを1つずつCMSで構築していくのは、単純に導入コストがかさむほか、保守効率的にも問題があります。
そこで活躍するのが、複数ドメインの複数サイトを一括管理するタイプのCMSです。CMSをまとめることで、CMS自体のコストを抑えたうえ、セキュリティアップデートなどの管理者負担も軽減されます。注意点として、CMSによっては、マルチドメイン対応にはマルチサイト用のライセンス契約が別途必要になるケースがあるので、検討の際にはCMSの契約形態を確認しておくのがおすすめです。
ポイント4:サーバーとCMSをまとめて保守管理し、様々な構成に対応
CMSのページ生成は、大量アクセス時の負荷を抑えやすい静的生成と、大量のページ数でも柔軟に更新できる動的生成に大きく分かれます。ただ、どちらにしても、ページ数もアクセス数も多い大規模サイトを安定運用しようとすると、すべてを1台のサーバーで処理する体制は難しくなってきます。このような場合は、状況に合わせてサーバーを複数台構成にしていくのがおすすめです。
(a)サーバーの冗長化で、サービス停止時間を可能な限り減らす
安定稼働を目指す場合は、サーバーを複数台にして冗長化させれば、片方がダウンしてももう片方のWebサーバーが稼働を維持できます。数十名の運営スタッフが数千ページのサイトのあちこちを同時編集したり、月間数百万PV以上のアクセスがあったりするような大規模サイトでは、それに耐えるようなサーバー構成が必要です。
(b)WebサーバーとCMSサーバーを分離し、CMS過負荷時もWebサーバーの高速応答を維持
そのほか解決策としてあげられるのが、静的生成で、ブラウザ表示用のWebサーバーと編集・静的出力用のCMSサーバーを分離し、複数台で運用するものです。これなら、CMSサーバーが過負荷になっても、ユーザーがアクセスするWebサーバーは速いレスポンスを維持できるため、訪問者が待たされて途中離脱したり、Webサーバーがダウンしたりする事態を防げます。
(c)CMSのプレビュー機能利用が難しいケースを、ステージングサーバーで解決
表示用のWebサーバーについては、ステージング(事前確認用)サーバーと本番公開サーバーをそれぞれ別々に構築するという方法もあります。たとえば以下の場合です。
- ・CMSのプレビュー機能ではページ全体が表示されないコンテンツの場合
- ・本番公開と完全に同じ条件での確認が必要な場合
- ・承認者がCMSにログインしない場合
これらの場合は、CMSからステージングサーバーにHTMLを出力し、承認後あらためて本番公開サーバーにコンテンツを置くことで、安心できる運用が可能になります。
複数サーバー運用や、CMS機能・Webサーバー機能の分離の可否は、製品によって変わってきます。サイトの規模に応じて必要な仕様を満たせるCMSを選択するのがおすすめです。サーバー環境の構築についても、十分な知識のあるネットワークエンジニアに依頼できる会社を選ぶことをおすすめします。
移行作業の日程・人員の準備も忘れずに!
また、既存のコンテンツを新しいCMSに載せ替える作業がある場合、念のため日数・人員に余裕を持った設定をしておくのがおすすめです。移行前のCMSや移行後のCMSに記事の一括出力・一括入力機能が備わっている場合であっても、いざ記事を入れてみて、細部のレイアウト調整や画像の修正・動画の変換などが発生すると、途端に膨大な手間になる場合があります。こういったシーンでは、大規模サイトのリニューアル経験の豊富なディレクター・プロデューサーが体制に入る会社を選べると、進行の安定感が増します。
まとめ
サイトへのCMS導入がうまくいくかは、サイトの要件・仕様、必要な機能、費用感などをうまく合わせられるかによって変わります。
- ・要求事項を達成するための要件・仕様・サイト構成の定義
- ・運用に関わる人(人数や部門、立場)、承認ワークフローの確認
- ・想定アクセス数の算出と、必要なサーバー構成の確認・実装
- ・上記のサイトを運用する際に必要な機能、CMS導入適否、適している場合のCMS選定
上記を着実にこなせる体制作りが、Webサイト運用の安定化・コスト効率化のためのポイントと言えます。
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