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2019年7月のFacebook規約改定・仕様変更発表まとめ
2019年7月に公式発表された、Facebookの主要な規約改定・仕様変更等のまとめです。
※規約改定については原則として原文(英語版)の変更点を対象としています。このため、日本語版未反映の内容を扱うことがあります。
規約改定:Facebook利用規約
7/31よりFacebook規約の改定が行われました。
内容は6/27に事前発表されたものと概ね同じですが、一部が変更されています。
- ユーザーが投稿時にFacebookに付与したコンテンツ利用許可は原則としてコンテンツの削除時に消滅しますが、「技術的・法律的な事情などによってコンテンツがシステムに一時的に残存する場合は、それが完全に削除されるまで利用許可がFacebookに残る」という内容と、条件の具体例が付記されました。
- その他、大意に変更がない範囲で、細かい言い回しが各所で変更されています。
※参照:Facebook利用規約
https://www.facebook.com/legal/terms/
We're Updating Our Terms of Service to Better Explain How Facebook Works / Facebookの仕組みをわかりやすく説明するための利用規約の更新 – Facebook newsroom (2019/06/27)
https://newsroom.fb.com/news/2019/06/updating-our-terms/
https://ja.newsroom.fb.com/news/2019/06/updating-our-terms/
規約改定:コミュニティ規定
1. 暴力と煽動
- テロリストやその他の暴力行為者に対する脅迫的発言は、(一般の特定個人に対する脅迫的発言を、信憑性に基づいて削除するか判断するのとは異なり、)脅迫行為の信憑性の判断を行わない場合がある、という記載が追加されました。
- 禁止行為である「標的の死亡につながる脅迫」の標的(本規定による保護対象)について、「凶悪犯罪歴/性犯罪歴のある(ことが報道等で確立されている)人間」を禁止の例外扱いとしたのが撤回され、本規定による保護対象に戻りました。
- 禁止行為に、対象者の誘拐の宣言・募集・願望に関する投稿が加わりました。
※参照:Facebookコミュニティ規定>1. 暴力と煽動 (Violence and Incitement)
https://www.facebook.com/communitystandards/credible_violence
5. 規制対象商品
- アルコール・タバコについて、個人間の売買・授受に関する投稿が禁止になりました。
- 実店舗や適法なWebサイト/ブランドによるアルコール・タバコ関連の投稿は禁止対象外ですが、Facebookによって表示対象が18歳以上のユーザーのみに制限されます。
- 銃火器・爆発物に関する3Dプリンタ用のデータファイルについては、配布するサイトへのリンクについては許可されるようになりました。
※参照:Facebookコミュニティ規定>5. 規制対象商品 (Regulated Goods)
https://www.facebook.com/communitystandards/regulated_goods
8. 成人に対する性的搾取
- 性行為の画像を当事者間の同意なく共有する行為に関して、脅迫・勧誘・意思表明を行うことが禁止行為に追加されました。
- 脅迫対象にすることが禁じられている「性的な会話」について、同意が得られていないことが示される状況の詳細が追記され、「Facebookへの報告(通報)が、顔や名前から被害者本人によると判断されるもの」などが明記されました。
※参照:Facebookコミュニティ規定>8. 成人に対する性的搾取 (Sexual Exploitation of Adults)
https://www.facebook.com/communitystandards/sexual_exploitation_adults
9. いじめと嫌がらせ
- 禁止行為である「個人への連絡を繰り返す行為」について、条件が「本人が明確に拒否を示し、回避行動をとっている場合」から「本人の意思に反する場合」「セクハラ」に変更されました。(適用されやすくなりました)
※参照:Facebookコミュニティ規定>9. いじめと嫌がらせ(Bullying and Harassment)
https://www.facebook.com/communitystandards/bullying
11. ヘイトスピーチ
- 禁止行為の「レベル2(Tier 2)」が大幅に具体化・細分化されました。
- 肉体的/精神的/道徳的に相手を劣等的に表現する行為
- 肉体的な劣等表現(衛生状態や見た目に関するもの)
- 精神的な劣等表現(知性・教育・メンタルヘルスに関するもの)
- 道徳的な劣等表現(文化的にネガティブなもの、性的行為に関するもの)
- その他の劣等表現
- 不十分さを表す表現
- 特徴を比較して優劣をつける表現
- 規範からの逸脱を表す表現
- 侮辱表現や同等の視覚的表現
- 保護対象の特性に対する不寛容表現
- 保護対象の特性に対して存在すべきでないという表現
- 憎悪に関する表現
- 解雇/追放に関する表現
- 嫌悪表現や同等の視覚的表現
- 対象者が周囲に体調不良を起こさせる原因とする表現
- 反感や嫌悪に関する表現
- 保護対象の特性を持つ個人や集団に対する暴言
- 対象者を性器・陰部に例える表現
- 侮辱の意図を持った卑猥な語句
- 性的行為もしくは性器・陰部・排泄物への接触を呼びかける語句
- 肉体的/精神的/道徳的に相手を劣等的に表現する行為
※参照:Facebookコミュニティ規定>11. ヘイトスピーチ (Hate Speech)
https://www.facebook.com/communitystandards/hate_speech
12. 暴力や過激な描写を含むコンテンツ
- 投稿禁止対象に以下が追加されました。
- 暴力行為の画像に対する、投稿者以外のユーザーによる賛美/肯定的なコメント
- 瀕死者・負傷者・死者を含む動画について、人体が部分的に腐敗しているもの
- 瀕死者・負傷者・死者を含む動画について、のどを掻き切る表現を含むもの
- 冒頭警告画面(センシティビティスクリーン)表示&18歳未満閲覧禁止の対象に以下が追加されました。
- 医療現場の画像で、人体が部分的に腐敗しているもの
- 死傷者を含む画像で、人体が部分的に腐敗しているもの
※参照:Facebookコミュニティ規定>12. 暴力や過激な描写を含むコンテンツ (Violence and Graphic Content)
https://www.facebook.com/communitystandards/graphic_violence
14. 性的行為の勧誘
- 性的行為の勧誘を暗示するコンテンツについて、禁止対象となるかどうかの判断が、以下の2種類の基準の両方を満たす場合とされ、それぞれの具体例が記述されました。
- 禁止対象の提案/依頼を行っているか
- 性的行為の勧誘を暗示する要素が含まれているか
※参照:Facebookコミュニティ規定>14. 性的行為の勧誘 (Sexual Solicitation)
https://www.facebook.com/communitystandards/sexual_solicitation
ステークホルダーエンゲージメント
- コミュニティ規定に関する解説セクションが追加されました。
※参照:Facebookコミュニティ規定>ステークホルダーエンゲージメント (Stakeholder Engagement)
https://www.facebook.com/communitystandards/stakeholder_engagement
仕様変更:ニュースフィード表示に関する健康関連投稿の規制強化
ニュースフィード表示アルゴリズムの仕様変更です。以下の投稿の表示数を減少させる変更が行われました。
- 健康関連について誇張もしくは扇情的な主張を行う投稿
- 健康関連の主張に基づいて製品・サービスの販売をしようとする投稿
更新は以下の2段階で行われました。
- 健康関連で誇張やミスリードを含む内容か判定
- 健康関連の商品・サービスの宣伝を含む内容か判定
※参照:Addressing Sensational Health Claims - Facebook newsroom (2019/07/02)
https://newsroom.fb.com/news/2019/07/addressing-sensational-health-claims/
仕様変更:Graph API v4.0
Graph API ver. 4.0が公開されました。
これに伴い、1つ前のバージョンであるv3.3の有効期限は2021年7月28日までとなりました。
また、v4.0発表に合わせて、旧バージョンについても一部仕様変更が行われました。
主な変更点は以下の通りです。
全バージョンに適用
- GET /{application-id}/picture エンドポイント廃止
- 特定の国の通貨の表記方式がUnicode Common Locale Data Repositoryに準拠し、通貨記号に国記号を付けないと分からないような海外からのアクセスについては国記号を付けたものをAPIが返すよう変更
(例えば、米ドルについて、米国内で$表記のものにオーストラリアからアクセスするとUS$表記を返す) - m.meリンクについて、REFパラメータのついた、既存スレッドに遷移するリンクをたどった場合、24時間の標準のメッセージ時間枠がリセットされるよう変更
- Webhookのパフォーマンスを改善
v4.0以降のみ適用
- メッセージ関連で以下の機能・エンドポイントを廃止
- POST /me/message_creatives
- POST /me/broadcast_messages
- POST /me/broadcast_reach_estimations
- Open Graphテンプレート
- 縦長リストテンプレート(横スクロールのカルーセルで代用)
- ページの公開コンテンツへのアクセスをするアプリは審査が必要
- バージョン表記が4以降では整数になる
- ページフィードのlike webhookフィールドが廃止になり、reactions webhookフィールドで代用されるよう変更
v4.0以降は7/29以降即時適用、旧版も10/29以降適用
- 一部のユーザーアクセストークンを無効化
(対象に含まれるかは/token_deprecation_checkエンドポイントで確認可能) - パラメーターが受け付けるユーザーIDが、App-scoped IDのみとなり、グローバルユーザーIDを受け付けなくなるよう変更
(ユーザーがアプリにグローバルユーザーIDで認知されている場合はこの限りでない) - Facebookページからのメッセージ送信のレート制限について、「1日あたりの送信数上限は、Facebookページが送信できるユーザー数の200倍まで」という制限が追加
- メッセージ関連で以下の機能・エンドポイントを廃止
- 位置情報のクイック返信
- Messenger用シェアボタン
- MessengerコードAPI
※Messengerコード=同アプリ独自の、カメラでスキャンする2次元コード
- ページAPIについて、InstagramユーザーもしくはメディアオーナーとひもづいたFacebookページにアプリがアクセスする場合、以下の権限が必要になる
- ads_management
- ads_read
- instagram_basic
- manage_pages
7/29以降新規作成アプリは即時適用、既存アプリも10/29以降適用
- Signed Requestオブジェクトからuserフィールドを除外
※参照:Introducing Graph API v4.0, Marketing API v4.0 – Facebook for Developer (2019/07/29)
https://developers.facebook.com/ads/blog/post/2019/07/29/introducing-graph-api-v4-marketing-api-v4/
Version 4.0 changelog – Facebook for Developer
https://developers.facebook.com/docs/graph-api/changelog/version4.0
仕様変更:Marketing API v4.0
Marketing API ver. 4.0が公開されました。
これに伴い、1つ前のバージョンであるv3.3の有効期限は2019年11月13日までとなりました。
v4.0での主な変更点は以下の通りです。
- ビジネスアセットグループ機能…大量の広告アセットやユーザーをグループ分けし、ユーザーにそれぞれ段階的権限を付与することで効率的な広告運用が可能になる、大口広告主向けの機能(API)が8/14以降追加
- 広告購入リクエスト後の膨大なバックエンド処理がレスポンス処理と分離され、メモリエラーや遅延による購入タイムアウトを低減
- 広告オブジェクトを処理中の場合向けに「in_progress(進行中)」ステータス表示を追加
- 広告のインサイトAPIがモバイルWebのアクセスとモバイルアプリのアクセスを分けて集計できるよう変更
- エラーによって配信がブロックされるかどうかを識別するエラー情報が追加
- リード獲得広告の取得制限追加…24時間あたり、200×24×過去30日にページで作成したリードフォームの個数分が件数上限となり、それ以上のリクエストはエラーを返す
- ads_archiveの利用制限…連続する24時間で109万2,000回(45,500×24回)まで
- Insights APIの利用制限…各アカウント1時間あたり、19万回(標準アクセス)もしくは60回(開発層)、アクティブ広告1件増加ごとに400回増加し、ユーザーエラー1,000回発生ごとに1回減少
- ads_managementの利用制限…各アカウント1時間あたり、10万回(標準アクセス)もしくは300回(開発層)、アクティブ広告1件増加ごとに40回増加
- custom_audienceの利用制限…各アカウント1時間あたり、19万回(標準アクセス)もしくは5,000回(開発層)、カスタムオーディエンス1人ごとに40回増加(増加時も毎時70万回が上限)
- Instagramのユーザーおよびメディアにアクセスするにはユーザーの許可が必要
- video_feeds APIのsuggested videosを名称変更
- best_creativeのGETリクエストを廃止
- キャンペーンの最適化ゴールのREPLIESをCONVERSATIONSに名称変更
- /usersについてPOSTおよびDELETEを廃止
- APIコール数制限について、APIのアクセス権限ランクと、アプリを利用する企業数に応じて上限が変わるように変更
- businessフィールドへのアクセスにbusiness_management許可が必要になるように変更
- 広告マネタイズプロパティのuserpermissionsエッジを廃止
- オフラインコンバージョンデータセットのuserpermissionsエッジを廃止
- GET {ad_account_ID}/usersコール時に管理人権限を持つ人の個別FacebookIDを表示する機能を廃止し、ユーザーの管理人IDのみを返すよう変更
- インサイトAPIのうちvideo_p95_watched_actionsおよびvideo_avg_percent_watched_actionsを廃止
※参照:Introducing Graph API v4.0, Marketing API v4.0 – Facebook for Developer (2019/07/29)
https://developers.facebook.com/ads/blog/post/2019/07/29/introducing-graph-api-v4-marketing-api-v4/
Version 4.0 changelog – Facebook for Developer
https://developers.facebook.com/docs/graph-api/changelog/version4.0
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