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2022年10月の各種ブラウザ仕様変更発表まとめ

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2022年10月に公式発表された、各種ブラウザ関連の主要な仕様変更発表のまとめです。

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要点

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Chrome 108 変更点

Chrome 108での機能追加・修正内容のまとめです。(ベータ版時点での情報)

追加・拡張

  • 置き換えた要素のoverflowプロパティを利用して、content-box範囲外への描画ができるようになります。
  • CSS用のビューポート単位として以下が使えるようになります。
    小…svw, svh, svi, svb, svmin, svmax
    大…lvw, lvh, lvi, lvb, lvmin, lvmax
    動的…dvw, dvh, dvi, dvb, dvmin, dvmax
    論理…vi, vb
  • 印刷用ページ/セクション区切りのためのCSSプロパティ3種(break-before, break-after, break-inside)の値に「avoid」(分割回避)が指定できるようになります。
  • ContentVisibilityAutoStateChangedイベント…content-visibility: autoプロパティを付加した要素について、表示・操作等の対象になっている要素の属性が変更になった場合に、該当イベントを発火させられるようになります。
  • Federated Credentials Management API…ブラウザのプライバシーが改善された形で、Webサイトに統合IDでログインできるようになります。
  • Media Source Extensions API…DedicatedWorkerから使用することで、メディア再生のバッファリングに関するパフォーマンスを改善できます。
  • WebTransportでBYOB(bring-your-own-buffer)リーダーから開発者側で用意したバッファを読み込みできるようになります。
  • 各種ポリシーの許可オリジン指定にワイルドカード(*)が使用できるようになります。
  • WebAuthn用のConditional UIが利用可能になります。
  • COLRv1形式の多色ベクターフォントについて、グラデーションや形状のプロパティを個別に変更できるようになります。
  • CSSの@supports(機能対応の有無を判定)を使った条件分岐について、font-tech() および font-format()が使えるようになりました。これによりCOLRv1への対応/非対応による分岐が可能になります。
  • CSSフォントレベル4で@font-faceに追加されたフォントリソースのフィルタリングについて、tech()関数で使用技術の指定ができるようになります。

オリジントライアル(先行試験実装)

  • canmakepaymentイベント…決済アプリにカード情報が登録されているかを、店舗(ECサイト/アプリ)側から判定できるようになります。
  • NotRestoredReason API…バックフォワードキャッシュ(ブラウザの戻る/進むボタンでの移動向けのキャッシュ)が提供されなかった場合に、PerformanceNavigationTiming API経由で理由を出力できるようになります。

仕様変更

  • FileSystemSyncAccessHandleの非同期処理用メソッド4種( flush() / getSize() / truncate() / close() )が同期処理メソッドに変更されます。
  • Android版で、ソフトウェアキーボードを表示した際に、それに合わせてビューポートの高さが自動調整される(キーボード抜きの高さに切り替わる)ようになります。

廃止・削除

  • window.defaultStatus…ウィンドウ下のステータスバーの表示を制御する機能が削除されます。
  • ImageDecoderInit.premultiplyAlpha…画像デコーダーの初期化に使うImageDecoderInitについて、プリマルチプライドアルファへの対応が削除されます。
  • navigateEvent.restoreScroll()…スクロール位置の復元機能について、restoreScroll()メソッドでの対応が削除されます。該当部分がある場合、navigateEvent.scroll()で代替する必要があります。
  • navigateEvent.transitionWhile()…ナビゲーション時の挙動の制御について、transitionWhile()メソッドでの対応が削除されます。該当部分がある場合、navigateEvent.intercept()で代替する必要があります。
  • WebRTCのIPv6通信を無効化する"googIPv6: false"指定が廃止されます。これに伴いIPv6通信の無効化ができなくなります。

Safari 16.1 変更点

Safari 16.1が公開されました。変更点は以下の通りです。

追加・拡張

  • Webプッシュ通知…Push APIおよびNotifications APIによるデスクトップ通知をWebから送れるようになります。
  • アニメーションAVIF…iOS 16・iPadOS 16・macOS Ventura以降で、アニメーションAVIFの再生に対応するようになります。
  • パスキー対応…サイト個別のID・パスワードを作成せず、Appleデバイスのユーザー認証(Touch ID・Face ID)をそのままサイト認証にできる「パスキー」が、iOS 16・iPadOS 16macOS Big Sur以降で使えるようになります。
  • ホバー機能…Apple Pencilによるホバー操作がiPad Pro(第6世代)でも使えるようになります。
  • 画面キャプチャー機能の強化…getDisplayMedia()による画面キャプチャーをWebRTC等でストリーミング送信できるようになります。

仕様変更

  • iPadOSでのビューポート可変化…iPadOS 16では、Stage Managerを使った可変マルチウィンドウ環境の導入に伴い、iPadでも様々なブラウザ幅を想定する必要が出てきます。

修正・改善

アクセシビリティ

  • display:contentsでボタンの名称表示のアクセシビリティに問題があったのを修正

CSS

  • ダイナミックビューポートの高さの単位 dvh が実際のビューポートの高さの数値と一致していなかったのを修正
  • scroll-snapプロパティ(画面単位スクロール等に使用)をbodyに設定した際にビューポートへの伝播がストップする件を修正
  • font-sizeプロパティの論理ビューポート単位が適切に処理されるよう修正
  • ブロック内に不可視のオーバーフロー部分がある場合に、position: fixedの子孫要素をクリッピングする処理が正しくなかったのを修正
  • box-sizing: border-box使用時の、tableのユーザーエージェントスタイルの扱いを修正
  • contain: sizeプロパティを持つselect要素の扱いを修正
  • レイアウトと描画の抑え込みの挙動を修正
  • font-variant-numeric・font-variant-alternatesプロパティをリセットするのにfont-variant: normal / font-variant: noneを使用した際の挙動を修正
  • 小型大文字を小型大文字対応フォントで表示する際に、文字を合成で処理していたのを修正

フォーム

  • select要素でCSSのcolorプロパティが無視されていたのを修正
  • input type="search"要素にappearance: textfieldプロパティをセットしたときにアイコンが隠れる件を修正
  • readonly属性対応のinput要素およびtextarea要素に、readonlyが正しく適用されるよう修正
  • 属性が欠落もしくは空文字列で指定された場合の入力タイプの状態変更を修正
  • form.submit()について、単一のフォームから複数のフレームに同時に送信を行うよう修正
  • textarea要素でテキストコンテンツを複製した場合、初期状態で末尾のテキストを選択扱いにしないよう修正
  • 範囲指定選択の結果選択内容に変化がなかった時に、選択イベントが発火しない件を修正

メディア

  • コンテナの種類によりAVIF画像がレンダリングされないケースがあるのを修正

レンダリング

  • 何らかの抑え込みを含むhtml要素内で、バックグラウンドでの伝播を阻害するよう修正

セキュリティ

  • ブラウザのバック機能を使って入力中のフォームから元に戻ったとき。COOPの影響で入力が途切れるのを修正
  • ワーカー内でのCSPのscript-src-elemを修正

Web API

  • シャドウDOMやdialog要素に対するフォーカスの挙動を修正

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