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2023年5月の各種ブラウザ仕様変更発表まとめ
2023年5月に公式発表された、各種ブラウザ関連の主要な仕様変更発表のまとめです。
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要点
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Chrome 115 変更点
Chrome 115での機能追加・修正内容のまとめです。(ベータ版時点での情報)
追加・拡張
CSS
- displayプロパティに値を2つ指定できるようになります。これまで要素の外部と内部の表示型を1つの値で指定していた(例:display: inline-flex;)のを、それぞれ外部と内部に分けた記述(例:display: inline flex;)で表せるようになります。
- コンテナクエリのstyle()を宣言値なしで(プロパティ名のみで)使用できるようになります。
- ScrollTimeline・ViewTimeline…スクロール進行状況に応じて(時間に依存せず)徐々に変化するアニメーションを作成できるようになります。
Web API
- WebAssembly.Module()コンストラクタでメインスレッドと同期してコンパイルされるモジュールの容量が、4KB→8MBに拡張されました。メインスレッドからWebAssembly.compile()で非同期コンパイルする場合は8MBより大きいモジュールも使用できます。
- FedCM APIで資格情報の再認証を行う際の資格情報管理仲介要件(Credential Management Mediation Requirements)に対応します。
- PerformanceResourceTiming.firstInterimResponseStart…処理継続中に暫定的に出る出るHTTPステータスコード100番台(100~103)の応答時間が計測できるようになります。
- 要素の表示状況がパフォーマンスタイムラインで計測できるようになります。
- WebGPUのGPUオブジェクトがWGSLLanguageFeaturesを扱えるようになります。
- FedCMダイアログで自動処理を行うためのWebDriverコマンドが追加されます。
オリジントライアル(先行試験実装)
- Compute Pressure API…CPUの負荷状況が取得できます。ゆくゆくは温度やバッテリー等の情報を扱うことも想定されています。
- よく使用(パース / コンパイル)される関数等の情報をマジックコメントとして添付できます。
- Long Animation Frames API…アニメーション処理に時間がかかっている部分を測定できます。
- Storage Buckets API…ストレージを分割して不要になったバケットの分だけストレージを削除できるようにすることで、細かいストレージ制御が可能になる技術が採用されます。
- WebAssembly.Module()コンストラクタでメインスレッドと同期してコンパイルされるモジュールの容量が、4KB→8MBに拡張されました。メインスレッドからWebAssembly.compile()で非同期コンパイルする場合は8MBより大きいモジュールも使用できます。
- FedCM APIで資格情報の再認証を行う際の資格情報管理仲介要件(Credential Management Mediation Requirements)に対応します。
- PerformanceResourceTiming.firstInterimResponseStart…処理継続中に暫定的に出る出るHTTPステータスコード100番台(100~103)の応答時間が計測できるようになります。
- 要素の表示状況がパフォーマンスタイムラインで計測できるようになります。
- WebGPUのGPUオブジェクトがWGSLLanguageFeaturesを扱えるようになります。
- FedCMダイアログで自動処理を行うためのWebDriverコマンドが追加されます。
オリジントライアル(先行試験実装)
- Compute Pressure API…CPUの負荷状況が取得できます。ゆくゆくは温度やバッテリー等の情報を扱うことも想定されています。
- よく使用(パース / コンパイル)される関数等の情報をマジックコメントとして添付できます。
- Long Animation Frames API…アニメーション処理に時間がかかっている部分を測定できます。
- Storage Buckets API…ストレージを分割して不要になったバケットの分だけストレージを削除できるようにすることで、細かいストレージ制御が可能になる技術が採用されます。
※オリジントライアルは、サイト管理者がオリジントライアル管理画面から対象オリジン(ドメイン)を登録し、発行されたトークンをHTMLにmetaタグとして設置した場合のみ、期間限定で有効になります。(詳細はGoogleの解説を参照)
修正・改善
- display: contents;指定を行った要素がアクセシビリティツリーに表示されなくなっていたのを元に戻します。
仕様変更
- HTTP(非暗号化通信)領域内のすべてのメインフレームのナビゲーション先を自動的にHTTP→HTTPSにアップグレードする変更が行われます。失敗する場合は速やかにHTTPにフォールバックします。
- サードパーティコンテキストのストレージやAPIについてパーティショニングを行います。セキュリティ強化(特定のサイドチャネルクロスサイトトラッキングへの対策)が主目的です。対象はクォータ管理つきストレージやサービスワーカー、コミュニケーションAPI等です。
- Node.lookupNamespaceURI()が、"xml"および"xmlns"をプレフィックスとしてデフォルトで使えるようになります。
また、Document.createNSResolver()およびXPathEvaluator.createNSResolver()において指定したノードをラップするのを停止し、"xml"プレフィックスを追加します。
これにより、要素をcreateNSResolver()でラップしなくてもXPathNSResolverとして扱えるようになります。
廃止・削除
- document.domain…同一オリジンポリシーの制限緩和を行う機能が非推奨化されます。代替手段としてはpostMessage()やChannel Messaging APIがあります。
- MutationEvent(DOMSubtreeModified、DOMNodeInserted、DOMNodeRemoved、DOMNodeRemovedFromDocument、DOMNodeInsertedIntoDocument等)…2011年から非推奨でしたが、Chrome 127(2024年7月20日リリース予定)で完全に削除されることが決まりました。代替としては2012年に導入されたMutation Observer APIへの移行が必要です。
※参照:Chrome 115 beta - Chrome Developers (2023/05/31)
https://developer.chrome.com/blog/chrome-115-beta/
Firefox 113 変更点
Firefox 113.0~113.0.2での機能追加・修正内容のまとめです。
追加・拡張
- ピクチャーインピクチャー動画再生時に、巻き戻し、再生時間表示、全画面モード切り替え等ができるようになりました。
- アドレスバーから検索する際に、検索結果表示後も検索語入力欄がそのまま(URLにならず)入力欄としてキープされ、すぐに追加キーワード入力して再検索したりできるようになりました。
- アクセシビリティエンジンが再デザインされ、スクリーンリーダー等のアクセシビリティソフト、IME、シングルサインオンを使用する際のスピードが向上しました。
- SafariやChrome系ブラウザのブックマークをインポートする際に、ファビコンも一緒にインポートされるようになりました。
- AVIS形式のアニメーション画像が入ったAV1ファイルを表示できるようになりました。
- Outlookからのドラッグ&ドロップができるようになりました。
- (macOS)コンテキストメニューからサービスのサブメニューに直接アクセスできるようになりました。
- (Windows)タッチスクリーンで2本指ドラッグスクロールをしている場合に、境界をすぎると画面が跳ね返る効果が追加されました。
- タジク語版が追加されました。
修正・改善
- Windows GPUサンドボックス利用時のセキュリティが強化されました。
- (Windows)広色域ディスプレイでカラープロファイルの指定に色が合っていない件が修正されました。
- 一部の設定で全画面表示の周りに枠線が表示されるのを修正しました。
- 全画面動画再生時にテアリング(※)が発生する問題を修正しました。
※テアリング(ティアリング)…GPU・ディスプレイのリフレッシュレートの微妙な不整合等により画面が境界線の上下で横方向にずれる現象 - Windows 11やFancyZones PowerToys(※)を使用している際にピクチャーインピクチャーウィンドウのスナップが機能しなくなる問題を修正しました。
※マイクロソフト公式のWindows用ウィンドウ管理ツール - (Windows)Intel GPUを使用した一部のシステムで動画再生がラッシュする問題を修正しました。
- ブックマーク・ヒストリーサイドバーが、ウィンドウが縦方向にリサイズされたときに正しく追随しない場合がある問題を修正しました。
- その他セキュリティ修正が行われました。
仕様変更
- プライベートウィンドウ使用時、サードパーティーCookieとコンテンツトラッカーのストレージ利用が遮断されるようになりました。
- パスワード自動生成時に特殊文字が含まれるようになりました。
廃止・削除
- WebRTCインターフェイスのうち、mozRTCPeerConnection、mozRTCIceCandidate、and mozRTCSessionDescriptionが削除されました。
※参照:Firefox 113.0, See All New Features, Updates and Fixes - Firefox Release Notes (2023/05/09)
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/113.0/releasenotes/
Firefox 113.0.1, See All New Features, Updates and Fixes - Firefox Release Notes (2023/05/12)
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/113.0.1/releasenotes/
Firefox 113.0.2, See All New Features, Updates and Fixes - Firefox Release Notes (2023/05/23)
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/113.0.2/releasenotes/
Safari 16.5 変更点
Safari 16.5での機能追加・修正内容のまとめです。
追加・拡張
- CSSのスタイルルールが入れ子で記述できるようになりました。(Chrome/Edgeは112から対応、Firefoxは未対応)
- :user-valid・:user-invalid擬似クラス…フォームの入力判定で、不正入力への警告表示スタイルをCSSで記述できるようになりました。
従来も:valid・:invalidという擬似クラスが同様の用途で用意はされていましたが、:valid・:invalidには[入力途中から判定が有効になり入力中に不正判定される]という問題点があり、実際にはJavaScript等による代替処理が必要でした。 - :user-valid・:user-invalidは入力が終わってカーソルがフィールドを離れた際に判定が発生するようになっており、:valid・:invalidの問題が解消されています。
- Apple Payが予約注文・後払いでも使えるようになりました。
修正・改善
CSS
- ・テキストフラグメント(※)部分へのスクロールが、ページリロード時にトップにスクロールしてしまうのを修正
※テキストフラグメント…ページ内の選択強調部分をURLに仕込んで、そこにジャンプさせる機能 例:前回記事 - calc()内での解像度単位「x」の挙動を修正
- グリッドアイテム・フレックスアイテムのスタイル計算時、block-start・block-end・inline-start・inline-endのマージンのトリミング処理を修正
- block-endのマージントリミングを行ったブロックコンテナの末尾で子要素が折りたたまれる際の上端のオフセットを修正
- margin-trimの値が変更された際に発生するレイアウトの挙動を修正
- column-count(段組)の値が2を超えて増加した際にレイアウトへの反映が行われないのを修正
- SVGのuse要素のシャドウツリーに対してCSSのカスタムプロパティが適用されないのを修正
- セレクターをタブ移動もしくは編集した際に、空のCSSルールが予期せず新規プロパティに落ちてくるのを修正
- -webkit-image-set()をimage-set()のエイリアス扱いに変更
編集
- 双方向テキスト(※)を選択した場合のヘアラインを修正
※双方向テキスト(bi-directional text, bidi text)…左→右方向と右→左方向が混在するテキスト(例えばアラビア語は通常の文字は右→左に書くが、数字については英語等と同様左→右になる) - ピッカーがフォトライブラリーを呼び出す際に、accept="image/*"で限定していても動画が表示内に含まれるのを修正
JavaScript
- Intl.DurationFormat(単位・尺度関連の書式設定オブジェクト)の仕様変更に対応
レイアウト
- 双方向テキストで行末折り返しになった場合の表示を修正
メディア
- AudioContextがキャプチャー停止後に音声セッションが再生・録音モードから変更しなくなる問題を修正
- CodecDelay値を持つ映像ストリームを処理する際に、映像再生の冒頭でポップノイズが聞こえる問題を修正
- ビデオ会議通話中にAirPods Proを取り外すと映像が止まる問題を修正
スクロール
- マウスホイール移動中にスクロールスナップが発生したとき、レイアウト処理時に最後にスナップした位置にスナップするのを修正
- スクロールスナップのon/offを切り替える際のピンチズームを修正
- 次のページにスワイプするときにスクロールスナップが前のページにジャンプするのを修正
- スクロールスナップがマウスホイールでのスクロールに連動するよう修正
レンダリング
- フォームコントロールのレンダリングを修正
- position: absoluteが設定されているときのcontent: counter()の表示更新を修正
- !importantで指定したスタイルがアニメーションの元の指定値を上書きした場合に、transformアニメーションの初期フレームが予期しない表示になるのを修正
Web API
- プリフライトリクエストのメタデータヘッダー埋め込みを修正
- OffscreenCanvas WebGLがコンテンツ消失イベントを発火させるよう修正
- getFileHandle()が予期しない入力型に対してTypeMismatchErrorを返すよう修正
Webアプリ
- リンク経由でWebアプリを開く際に、前に戻るボタンに“Untitled”ラベルが出るのを修正
Web Assembly
- WASM SIMDでWebPデコードが中断されるのを修正
Webインスペクタ
- color-mixの初期サポートを追加
- ::backdrop擬似要素で背景ルールをつけた要素が背景設定なしで表示されるのを修正
- 要素選択コンソールが行全体をハイライトするのを修正
- ミニコンソールで要素を検証する場合に、コンソールを閉じても開きっぱなしになる問題を修正
※参照:WebKit Features in Safari 16.5 - WebKit Blog (2023/05/18)
https://webkit.org/blog/14154/webkit-features-in-safari-16-5/
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