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Chrome 122 仕様変更発表まとめ

記事タイトル画像:Chrome 122 仕様変更発表まとめ

Google Chrome 122の主要な仕様変更発表のまとめです。(ベータ版時点での情報です)

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要点

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追加・拡張

Web API

  • 非同期クリップボードAPIでHTMLのデータを扱う際に、read()メソッドでHTMLのサニタイズをしないオプションが使えるようになります。
  • FedCMの連携切断機能…ログイン先サイト(RP)で別のID提供元のアカウント認証情報を使用する認証連携設定について、システム側で切断処理を行えるようになります。
    連携切断に伴い、RP側はID提供元側に連携設定の切断を通知できるようになります。
    連携切断後、該当IDとFedCMを使ってRP側のサイトに再度ログインする場合、RP側では別の新規アカウントとして扱われます。
  • イテレータヘルパー…イテレータ(データセット等への反復処理)をより使いやすくするヘルパーメソッドが追加されます。
  • Channel Messaging API(フレーム間通信・メッセージ送受信を行うAPI)について、MessagePortで他ポートの処理の詰まりが解消されたとき(ポートを閉じる処理、処理中ドキュメントの破棄、ガベージコレクション等)に通知を受けられるようになります。
  • WebRTCのRTCRtpSender.setParameters()メソッド(ビデオ会議等での送信者側設定変更)について、エンコーダー側でキーフレーム(差分等でない完全な元画像のフレーム)を生成する設定を、2個目のパラメーターとして任意指定できるようになります。
  • setメソッド…JavaScript上でSetクラスのデータを制御するメソッドが追加されます。
  • Storage Buckets API…デバイスストレージ内に分割された保存領域(を複数のバケツに例えたもの)を設置できます。各バケツはIndexedDBやCacheStorage等のストレージ制御APIを使ってデータを処理できます。
  • URL Pattern APIのURLPatternインターフェイスについて、hasRegExpGroupsプロパティを使って、ECMAScript正規表現グループを1つ以上使用しているかを調査できるようになります。(ECMAScriptエンジンの使えない環境には不向き)
  • drawingBufferStorage…WebGLの描画バッファ形式について、従来のデフォルトであった8ビット以外の形式を指定できるようになります。高精度描画や広い色域が求められる場合に向いています。
  • TLSの鍵カプセル化アルゴリズムについて、X25519とKyber768のハイブリッド方式(IETF標準準拠)に対応します。

オリジントライアル(先行試験実装)

  • scope_extensions…Webアプリのスコープを拡張できる機能です。通常Webアプリのスコープは、単一オリジンの単一パスを基点として定義されます。が、scope_extensionsを使用すると、他の関連オリジンにスコープを広げることが可能になります。
  • Captured Surface Control API…キャプチャー対象のタブ/ウィンドウ内でホイールイベントを発生させたり、ズームレベル情報の読み書きを行ったりできるようになります。

※オリジントライアルは、サイト管理者がオリジントライアル管理画面新しいウィンドウで開きますから対象オリジン(ドメイン)を登録し、発行されたトークンをHTMLにmetaタグとして設置した場合のみ、期間限定で有効になります。(詳細はGoogleの解説新しいウィンドウで開きますを参照)

仕様変更

CSS

  • コンテナクエリの条件指定部分に、仕様対象外の未知の条件指定が含まれている場合、@container{}セレクタ内全体が適用除外されるように変更されます。
    この場合、複数の条件をor接続して片方にマッチしていても、もう片方が未知の条件指定であった場合、@container{}内のCSS指定は適用されなくなります。
  • ::backdrop擬似要素(動画等の要素を全画面表示した際に、画面サイズの都合上空白になる部分の背景)のCSS継承に関するルールが変更されました。
    変更前…初期値でリセットする(元要素から継承せず、カスタムプロパティを使っている場合は擬似要素にも直接指定が必要)
     ↓
    変更後…元要素の値を継承する

Web API

  • DataTransfer.clearData()メソッド(ドラッグ&ドロップ操作時に、指定した型のデータをドラッグ中のデータから削除)使用時に、ファイル型のオブジェクトが削除対象から除外され、テキスト型のオブジェクトのみが削除対象として扱われるようになります。
  • iframe内にマウスポインタがある状態でマウスボタンを押下したままiframe外に出た場合、mousedown(マウス押下)イベントがキャンセルされたときの例外的処理が一部変更されます。(WebKit系・Mozilla系と同じ処理になります)
    変更前:mousemove(マウス移動)・mouseup(ボタン押下解除)が外のフレームに対して発行される
     ↓
    変更前:mousemove(マウス移動)・mouseup(ボタン押下解除)が外のフレームに対して発行されない

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