デジタルマーケティングTips
Safari 17.5 仕様変更発表まとめ
Safari 17.5の主要な仕様変更発表のまとめです。
要点
- 追加・拡張:
以下の機能が追加・拡張され、表現力・利便性が向上します
・CSSでテキスト折り返しの方式指定、ライトモード・ダークモードの一括色指定、機能対応状況によるインポート有無の条件分岐が可能になる
・AV1動画の再生に対応する(ハードウェアデコーダー搭載機のみ) 等
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追加・拡張
CSS
- text-wrap-styleプロパティ…ブロック内のテキスト折り返し位置のスタイルを指定できるようになります。text-wrap:○○;というプロパティ名でも指定可能です。
Safari 17.5では以下のプロパティ値に対応します。- text-wrap-style: auto;…通常の折り返しを行います。本プロパティ無指定時はautoがデフォルトとなります。また、ブラウザが未対応の値が入った場合もここにフォールバックします。
- text-wrap-style: balance;…最終行を含むすべての行の長さが極力平坦になるように折り返し位置を自動調整します。
- text-wrap-style: stable;…テキスト編集を行う要素向けで、編集中は入力行より前(上)の行の折り返しが自動で変わらなくなり、autoに比べて表示の安定性が向上します。その他は基本的にautoと同じです。
- light-dark()色関数…ライトモード・ダークモードでの色指定(従来はメディアクエリで分岐処理)を1つのプロパティ指定にまとめる関数が使えるようになります。
blockquote {
のようにカンマ区切りでライトモード用・ダークモード用の順に色指定を列記すると、指定した要素・クラス(上記の例では<blockquote class="lightdarkblue">…</blockquote>)において、OSのカラーモード指定に基づいて自動的に色が選択されます(color-scheme: light dark;でOS側の指定を受け付けます)。
color-scheme: light dark;
}
blockquote.lightdarkblue {
color: light-dark(#111133, #ccccee);
background-color: light-dark(#ccccee, #111133);
} - @starting-style…CSSでトランジション処理をする場合、関係するプロパティ群の開始値を定義できるようになります。
- @importで外部CSSファイルをインポートするかどうかの条件分岐について、supports()内に指定した機能のブラウザ対応可否で分岐できるようになりました。
機能名の前にnotを入れると、指定した機能に対応しない場合にインポートさせることもできます。
Web Codecs
- SafariでAV1エンコードの動画の再生に対応します。ただしAV1ハードウェアデコーダー搭載機種(iPhone 15 Pro・ProMaxやM3シリーズ搭載Mac等最近の機種)に限ります。
ハードウェアデコード未対応の機種では、ブラウザをSafari 17.5に上げてもAV1動画をソフトウェアデコードしたりはしません。 - WebGLで以下の3Dシェーディング関連の拡張機能に対応します。
- EXT_conservative_depth…シェーディング処理の最適化に必要な深度情報を渡す際に使います。
- NV_shader_noperspective_interpolation…補間修飾子「noperspective」(補間中にパースペクティブ補正を実行しない)が使えるようになります。
- WKWebView(アプリ内ブラウザ)で、MarketplaceKit(App Storeの代替となるスマホアプリマーケットを独自に作成する機能)のエラーログをJavaScriptコンソールに出力するようになります。
修正・改善
以下の不具合修正が行われました。
アクセシビリティ
- 一部テキストフィールでVoiceOverの読み上げがエコーになる件を修正
アニメーション
- アニメーション加速・方向変更が複数発生した場合にちらつくのを修正
認証
- パスキー登録リクエスト時にexcludeCredentialsプロパティ(同じIDによる資格情報が既に登録済みかどうかの判別に使用する)が無視されていたのを修正
CSS
- 暗黙的な@scopeに対する近似計算を修正
- グリッドのサイズ追跡アルゴリズムについて、高さ計算時に不要な更新を行わないよう修正
- @scopeが要素をスコープ対象外にする制限を修正
フォーム
- ダークモード時に素のテキストフィールドが不可視になる問題を修正
- ダークモード時に素のselect要素のレンダリングがフォールバックする件を修正
メディア
- CSSプロパティでpointer-events: none;(マウスオーバー等のポインターイベントに要素全域が一切反応しなくなる)が指定された動画が他要素にかぶせて表示された場合の、かぶせられた要素のスクロール挙動を修正
- ブラウザがバックグラウンドにある状態でのaudio要素(音声)再生について、次のメディアへの移行が行われるよう修正
- iPhone 15 ProでAV1がハードウェアデコードされるよう修正
- Webブラウザでのストリーミング音声再生を内蔵スピーカーで出力させた場合に音声がゆがむ件を修正
- 音声・動画の読み込み時のloadeddataイベント(最初の再生フレームの準備ができたときに発火する)の挙動を修正
レンダリング
- スクロールバー表示の切り替え(オーバーレイ←→非オーバーレイ)に伴うスクロールバー領域のサイズ調整を修正
- 非同期の画像デコードを回避することで、色付き背景の上にレイヤーを初回表示する際のちらつきを修正
- ルビ(フリガナ)の途中で折り返しが発生していたのを修正
Web API
- iframe内でのmousemoveイベントについて、iframeの外でクリックしたのちボタンを押したままiframe内部に入った場合の挙動を修正
Webアプリ
- Webアプリ/Safari未実行時にWebプッシュ通知が表示されない原因になっていた諸問題を修正
Webインスペクタ
- 新規コンソールメッセージが出るまでコンソールタブに情報・デバッグボタンが表示されない問題を修正
WebRTC
- VP9ハードウェアデコーダー搭載機種で、WebCodecs APIがハードウェアデコーダーを適正に使用するよう修正
- Teams VAで映像が受信されない件を修正
- 照明が有効な状態でたまにカメラが動作しなくなる件を修正
※参照:WebKit Features in Safari 17.5 - WebKit Blog (2024/05/13)
https://webkit.org/blog/15383/webkit-features-in-safari-17-5/
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