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2024年5月のFacebook規約改定・仕様変更発表まとめ
2024年5月に公式発表された、Facebookの主要な規約改定・仕様変更等のまとめです。
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※規約改定については原則として原文(英語版)の変更点を対象としています。このため、日本語版未反映の内容を扱うことがあります。
※掲載内容はいずれも発表時点の情報に基づいています。最新の公式情報が必要な場合は、別途参照先等にてご確認ください。
要点
- 規約改定:
一部の規約・ポリシーが改定されます
影響する機能・施策・コンテンツがある場合は今後見直しが必要になります
・成人向け表現の規制が一部変更される
・フェイク映像等は合成であることの開示が義務化される 等 - 仕様変更:
以下の仕様が変更されます
影響する機能・施策・コンテンツがある場合は今後見直しが必要になります
・Graph API / Marketing API v20.0が公開される&一部機能が廃止される(90日以内に対応が必要) 等
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規約改定:コミュニティ規定>自殺、自傷行為、摂食障害
- 投稿禁止対象に、「自傷の文脈での身体改造(タトゥー、ピアス、瘢痕文身(スカリフィケーション)、自己刑罰等)を宣伝/奨励/調整/指南するコンテンツ」が追加されました。
- 過去の自傷行為に関するコンテンツ、回復の文脈での過度に痩せた身体の描写について、制限が[センシティビティスクリーン適用]から[ラベル表示]に緩和されました。
※参照:Suicide, Self-Injury, and Eating Disorders / 自殺、自傷行為、摂食障害
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/suicide-self-injury/
規約改定:コミュニティ規定>成人の性的搾取
投稿禁止行為・コンテンツに以下の変更が加わりました。
- 従来禁止内容が一緒に扱われていた[不同意性的接触]と[屍姦][脱衣強制]で、禁止行為の記述が別々に分けられました。
- 芸術作品については従来投稿禁止の対象外でしたが、「非実在の人物の描写であること」「非難もしくは中立的なキャプションがついていること」と条件が厳しくなりました。
- 現実の出来事でない不同意性的画像/映像を作成・共有するという脅迫が禁止対象に追加されました。
- 性的会話の不同意共有に関する脅迫について、不同意であることを示す際の根拠に「メディア報道や法執行機関の記録などの独立した情報源」も使用できるようになりました。
以下の行為・コンテンツについては制限が緩和されました。
- 不同意性的接触のコンテンツについて、[注意喚起目的][被害者特定不可][裸体を含まない]という条件をすべて満たす場合に限り、[投稿禁止]から[視聴年齢制限(18歳以上)・警告表示付加]に制限が緩和されました。
- 架空の不同意性的接触コンテンツについて、[信頼できるパートナーによる共有]かつ[煽情的な文脈でない注意喚起]という条件を満たす場合に限り、[投稿禁止]から[視聴年齢制限(18歳以上)・警告表示付加]に制限が緩和されました。
※参照:Adult Sexual Exploitation / 成人の性的搾取
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/sexual-exploitation-adults/
規約改定:コミュニティ規定>成人のヌードと性的行為
ポリシーの理念
- 成人の性的コンテンツ規制(不同意のもの以外)については基本的に現実の人物を扱ったフォトリアルな画像・映像が規制対象となる、という記述が追加されました。
投稿禁止行為
- 外性器の露出禁止について、「陰毛で隠れたものも(禁止に)含む」という条件が削除されました。出産・手術・疾病関連の文脈で禁止対象外なのは従来通りです。
- 飢饉・大虐殺・戦争犯罪・人道に反する犯罪の文脈での性器等の露出は禁止対象外という記述が追加されました。
- 性行為・性的刺激を暗示する表現の禁止について、明示的に性行為・性的刺激であることがわかるものに対象が限定され、暗示程度のものは禁止対象外になりました。
- フェティッシュ系コンテンツについて、禁止対象が「画像/映像」に限定され、それ以外は禁止対象から外れました。
投稿禁止行為(要背景情報)
投稿禁止行為(要背景情報)
- 風刺目的の性的コンテンツに関する規定違反は背景情報により許可される場合がある、という記述が追加されました。
※参照:Adult Nudity and Sexual Activity / 成人のヌードと性的行為
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/adult-nudity-sexual-activity/
規約改定:コミュニティ規定>偽情報
ポリシーの理念
- 映像・音声を合成・変更して実際の出来事であるかのように見せるフェイク映像・音声については、フェイクであることを開示することが要件として追加されました。違反者には罰則が適用されます。
※参照:Misinformation / 偽情報
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/misinformation/
規約改定:広告規定>自殺、自傷行為、摂食障害
新設ポリシーです。Facebookコミュニティ規定の同名ポリシーの規定に加え、広告にのみ適用される制限として、以下が禁止対象に追加されました。
- 医療現場で安楽死・自殺幇助を行う人物を描写する写真・動画
- 自殺/自殺未遂、自傷行為、摂食障害に関与したことを文書・口頭で認める内容
- 自殺・自傷関連の文脈で、自殺を示唆する可能性のある発言
- 自殺・自傷やそこからの回復の文脈で、治癒後の傷のイメージが含まれる画像
- 摂食障害治療の文脈に集中して共有される画像
- 体重増加・現象の変化前・変化後を比較する画像
※参照:Suicide, Self-Injury, and Eating Disorders / 自殺、自傷行為、摂食障害
https://transparency.meta.com/policies/ad-standards/objectionable-content/suicide-selfinjury-eating-disorders/
規約改定:広告規定>オンラインギャンブルおよびオンラインゲーム
オンラインギャンブル等の広告許可を申請できる地域の一覧から、ブルガリアが削除されました。
影響を受けるジャンルは以下の通りです。
- オンラインギャンブル
- 金銭的価値のある報酬が出てくる課金制オンラインゲーム
- それらの宣伝を含むWebサイト
※参照:Online Gambling and Gaming / オンラインギャンブルおよびオンラインゲーム
https://transparency.meta.com/policies/ad-standards/content-specific-restrictions/gambling/
規約改定:広告規定>第三者の権利侵害
「広告内に音楽が含まれる場合、楽曲のライセンス確保が義務付けられる」という記述が追加されました。
※参照:Third-Party Infringement / 第三者の権利侵害
https://transparency.meta.com/policies/ad-standards/intellectual-property-infringement/third-party-infringement
規約改定:広告規定>違反しているコンテンツ
概要・ガイドラインが削除されました。
内容的には残った部分と削除部分は概ね重複しており、特に禁止・解禁事項等はありません。
※参照:Violating Content / 違反しているコンテンツ
https://transparency.meta.com/policies/ad-standards/business-assets/Violating-Content
仕様変更:Graph API / Marketing API v20.0
Graph API v20.0 および Marketing API v20.0が発表されました。Meta Business SDK v20も追って近日リリース予定です。
主な変更点は以下の通りです。
追加・強化
以下の作業をAPI経由で(Meta Ads Manager以外の外部ツールや独自開発システム等で)扱えるようになります。
- リマインダー広告をAPI経由で作成
- 広告キャンペーンに関するMetaからのガイダンスを表示
- 複数広告主の広告(Multi-advertiser Ads)へのオプトイン
- 生成AIを活用した広告コンテンツ生成(背景生成・画像拡張・テキスト生成)
そのほか、以下の機能が追加・拡張されます。
- API経由でInstagramに動画をアップロードする際、一度中断したアップロードを途中から再開できるようになります。
- Graph APIで利用できるInstagramカルーセルコンテナメディアの指標に、[いいね][コメント][共有][フォロー][プロフィールアクティビティ][プロフィール訪問]が追加されます。
仕様変更・廃止
以下の機能は廃止されます。該当機能を使用している場合は置き換えや機能削除等の改修が必要です。
- Messenger APIで予約ボタンの利用ができなくなります。
v20公開をもって全バージョン即時機能停止となります。 - スポンサーメッセージ広告の作成ができなくなります。
v20では公開時から、旧バージョンもv20公開の90日後(2024年8月19日)をもって機能が停止します。 - エンゲージ/リーチしたユーザーの統計情報のうち、過去14日間/90日間の国・都市・年齢・性別の分布情報が取得できなくなります。
全バージョンともv20公開の90日後(2024年8月19日)をもって機能が停止します。
Facebook/Instagram Graph API・Marketing API旧バージョンの廃止予定
API新バージョン公開後、旧バージョンは一定の猶予期間をおいたのち順次廃止となります。サイト・アプリ内でAPI呼び出しコードが古いバージョンの場合は、新バージョンへの置き換えをMetaが推奨しています。
廃止済みの旧バージョンでの呼び出しコードが放置された場合、自動的に有効なバージョンまで繰り上げられてAPI呼び出しが行われます。このため、自動アップグレードされたAPI呼び出しが成功するかどうかは、新バージョンでの仕様変更の有無に依存します。
2024年5月末時点で予定されている廃止スケジュールは以下の通りです。
Graph API旧バージョン(v14~19)廃止予定
- v14(2022年05月25日公開)…2024年09月17日廃止
- v15(2022年09月15日公開)…2024年11月20日廃止
- v16(2023年02月02日公開)…2025年05月21日廃止
- v17(2023年05月23日公開)…2025年09月12日廃止
- v18(2023年09月12日公開)…2026年01月26日廃止
- v19(2024年01月23日公開)…2026年05月21日廃止
(v13までは廃止済み)
Marketing API旧バージョン(v18~19)廃止予定
- v18(2023年09月12日公開)…2024年08月13日廃止
- v19(2024年01月23日公開)…2025年02月04日廃止
(v17までは廃止済み)
※参照:Introducing Facebook Graph API v20.0 and Marketing API v20.0 - Meta for Developers (2024/05/22)
https://developers.facebook.com/blog/post/2024/05/21/introducing-facebook-graph-and-marketing-api-v20/
Graph API Version 20.0 - Meta for Developers (2024/05/21)
https://developers.facebook.com/docs/graph-api/changelog/version20.0
Marketing API Version 20.0 - Meta for Developers (2024/05/21)
https://developers.facebook.com/docs/marketing-api/marketing-api-changelog/version20.0
仕様変更:フィードのレコメンド強化等
Facebookの今後の機能強化に関する発表が行われました。
- フィード・リールの表示内容について、AIによる高度なレコメンドが行われるようになります。
- Facebook内から生成AI「Meta Llama」を使った情報収集等が行えるようになります。
※参照:The Future of Facebook - Meta Newsroom (2024/05/31)
https://about.fb.com/news/2024/05/the-future-of-facebook/
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