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Chrome 130 仕様変更発表まとめ

記事タイトル画像:Chrome 130 仕様変更発表まとめ

Google Chrome 130の主要な仕様変更発表のまとめです。(ベータ版時点での情報です)

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要点

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追加・拡張

CSS:入れ子CSS宣言用のルール

  • CSSNestedDeclarations新しいウィンドウで開きます…入れ子にされたCSSルールのあとに入れ子でないルールを記載した場合、それらの宣言をCSSNestedDeclarationsで囲むことで、正常に解析処理が行われるようになります。

CSS:複数行テキストの囲み方指定

  • box-decoration-breakプロパティ新しいウィンドウで開きます(複数行にわたるテキスト要素の囲み方の指定)で、 box-decoration-break: clone; (行単位で分離してそれぞれ囲みを閉じる)が指定できるようになります。
    以前はプレフィックスなしだと box-decoration-break: slice; (1つの囲みを改行部分で分離する)のみ対応で、本指定は -webkit-box-decoration-break: clone; とプレフィックスつきにする必要がありましたが、今回の変更で、プレフィックスなしでの記述も可能になります。

CSS:::part()擬似要素にさらに擬似要素・擬似クラスを付加可能に

  • ::part()新しいウィンドウで開きます擬似要素(シャドウツリー内でカッコ内の指定文字列と同名のpart属性を持つ要素を指定・参照できる)に対して、更に後ろに擬似クラス・擬似要素指定を付加したCSS設定が可能になります。

Attribution Reporting API:アトリビューションスコープ

  • Attribution Reporting API新しいウィンドウで開きますで、attribution_scopes新しいウィンドウで開きますフィールドの指定(⇒フィルタリング等)が可能になります。
    アトリビューションの粒度制御が細やかにできるようになり、複数ルートからのコンバージョン計測であっても適切なレポートを受け取れるようになります。

過去の応答内容を辞書に使用した通信データ圧縮

  • 共有Brotliおよび共有Zstandardでの圧縮転送新しいウィンドウで開きます(サーバー側で対応させるとHTML等の転送を劇的に軽量化できる)について、過去の応答内容を外部共有辞書として使用できるようになります。

    ユーザー側でのポリシー設定が必要な場合あり

    この機能はユーザー側の組織のネットワーク/セキュリティ構成によっては、ブラウザ利用/ページ表示に支障が発生する可能性があります(トラフィックの傍受とみなされたり、未知の文字コードへの対応が不十分だったりする場合があります)。そのような場合は、ユーザー側の組織全体のChromeに対するポリシー設定(CompressionDictionaryTransportEnabledポリシー新しいウィンドウで開きます)で圧縮辞書利用を無効化すると、問題を回避できます。

スムーズスクロール機能

  • scrollIntoView()メソッド新しいウィンドウで開きますで指定部分までスクロールを行う際に、カッコ内で{behavior: "smooth"}を指定することで、ページ内をスムーズにスクロールできるようになります。
    ページ読み込み時にいきなりアンカーで表示位置を指定したらスクロールが失敗する、という場合にも活用が可能です。

子ウィンドウを固定位置・サイズで開く設定

IndexedDBの読み込みエラー報告機能

  • IndexedDBで大型データの読み込みにエラーが発生した場合に、DOMExceptionインターフェイス新しいウィンドウで開きますに読み込み失敗のエラーメッセージを格納するようになります。
    読み込み対象が存在しない場合はDOMExceptionNotFoundError新しいウィンドウで開きますが入ります。

Protected Audience API:広告演算処理のクラウド対応

  • Protected Audience API新しいウィンドウで開きますを使ってデジタル広告表示用の入札・オークションを行う際に、演算処理をユーザーのデバイス内でなくクラウドサーバーで行えるようになります。これにより、ローカルデバイス内の演算処理やネットワーク帯域の負荷を減らすことができます。
    ※Protected Audience API(旧称:FLEDGE)…サードパーティCookieに代わる新世代のデジタル広告・プライバシー保護技術「プライバシーサンドボックス新しいウィンドウで開きます」の一部で、訪問者の再訪を促すリマーケティング広告等に使用されます

WebAssemblyがJavaScript文字列演算機能を内蔵

  • JavaScriptの文字列演算処理がWebAssemblyでも使用できるようになります。

WebGPU:デュアルソースブレンディング

  • デュアルソースブレンディング(2つのフラグメントシェーダーの出力・表示を単一のフレームバッファに結合・合成する機能)がGPUで処理できるようになります。

Web Serial:無線接続向けのポート使用状況検出機能

オリジントライアル(先行試験実装)

サイト管理者がオリジントライアル登録することで、以下の機能が先行利用可能になります。

言語自動判別

  • Language Detector API新しいウィンドウで開きます…入力/表示文字列が何語で書かれているかをパーセンテージつきで自動判別するJavaScript APIが使えるようになります。

WebAuthn:複数のパスキー認証の併用(Android)

  • WebAuthn新しいウィンドウで開きます証明処理新しいウィンドウで開きますattestationFormatsフィールドが使用できるようになります。
    WebAuthnレベル3では複数のパスキー(生体認証等)を優先順位つきで併用する機能に対応しており、これをAndroidで実装する際に使用します。

※オリジントライアルは、サイト管理者がオリジントライアル管理画面新しいウィンドウで開きますから対象オリジン(ドメイン)を登録し、発行されたトークンをHTMLにmetaタグとして設置した場合のみ、期間限定で有効になります。(詳細はGoogleの解説新しいウィンドウで開きますを参照)

修正・改善

特別でないURLの解析処理改善

  • URL解析処理について、スキーム名が「http」「https」「ftp」「file」「ws」「wss」以外の、いわゆる「特別でないURL(Non-special URL)」でも、コロンのあとにスラッシュ2個がつく場合、最初のスラッシュを境に前後をホスト名とパスに分けて処理してくれるようになります。
    これにより、意図しない不透明パス(スラッシュで分割されないパス)が発生する問題新しいウィンドウで開きますが改善されます。

仕様変更

CSS:シャドウDOM使用時のコンテナクエリ情報参照変更

  • コンテナクエリの仕様変更により、解析時にフラットツリーの祖先方向の情報がたどられるようになりました。
    影響を受けるのはシャドウDOMを使う場合で、::part()新しいウィンドウで開きます::slotted()新しいウィンドウで開きますのようなカッコ内参照を持つ擬似要素がなくても、指定要素や祖先の入っているシャドウツリー内の名前なしコンテナを参照できるようになります。

アトリビューションレポート用のデバッグキー要件変更

  • アトリビューションレポートにデータが含まれるようにするための、サードパーティCookieのデバッグキー設定条件(API呼び出し元側で指定)が変更されます。
    変更前:ソースデバッグキーとトリガーデバッグキーの少なくとも片方が指定されていること
     ↓
    変更後:ソースデバッグキーとトリガーデバッグキーの両方が指定されていること

スクロールコンテナをキーボードフォーカス対象に変更

  • Tabキーでのフォーカス移動(アクセシビリティ対応時に重要)について、スクロールコンテナ(枠のサイズ指定に収まらないコンテンツをスクロール表示させる要素)が移動対象になるかどうかの条件が変更されます新しいウィンドウで開きます。デフォルトの動作は[Tabキー移動対象外(拾われない)]から[Tabキー移動対象(拾われる)]に変更されます。
    • 変更前…tabindex新しいウィンドウで開きます属性の値が0または正の数で明示的に指定されている場合のみ対象
      (<○○ tabindex="0">等0以上の属性値があればTabキーを打ってフォーカスが該当領域に止まるが、それ以外は基本的に素通りする)
       ↓
    • 変更後…tabindex属性の値が負の数で明示的に指定されている場合のみ対象外で、それ以外は対象
      (<○○ tabindex="-1">等マイナス属性値があればTabキーを打ってもフォーカスが該当領域を素通りするが、それ以外は基本的に止まる)
    例外として、スクロール要素内にフォーカス可能な子要素(ボタン等)が含まれている場合は、スクロールコンテナ要素をtabindex="0"等で明示的に移動対象に指定しないと、スクロール要素への移動がスキップされ、子要素に直接フォーカスが飛びます。
  • 対応が間に合わない場合、デプリケーショントライアル新しいウィンドウで開きますを申請することで、Chrome 132まで適用を猶予できます。
    また、Chrome Enterpriseポリシーの「KeyboardFocusableScrollersEnabled新しいウィンドウで開きます」のオプトアウトでも、Chrome 134提供終了まで組織内の仕様変更猶予が可能です。

廃止・削除

ペン入力補完処理の解析機能一部削除

  • Ink API新しいウィンドウで開きます(手描き入力でペン/マウスの動きが速くても線が途切れないよう補完する機能)のDelegatedInkTrailPresenterインターフェイス新しいウィンドウで開きます(範囲・位置の管理)について、expectedImprovement属性(待ち時間の改善状況を返す)が廃止されます。

GPU情報取得機能一部廃止

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