デジタルマーケティングTips
2025年1月のFacebook規約改定・仕様変更発表まとめ
2025年1月に公式発表された、Facebookの主要な規約改定・仕様変更等のまとめです。
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※規約改定については原則として原文(英語版)の変更点を対象としています。このため、日本語版未反映の内容を扱うことがあります。
※掲載内容はいずれも発表時点の情報に基づいています。最新の公式情報が必要な場合は、別途参照先等にてご確認ください。
要点
- 規約改定:
一部の規約・ポリシーが改定されます
影響する機能・施策・コンテンツがある場合は今後見直しが必要になります
・ジェンダー関連の議論に関するヘイトスピーチ規制が一部緩和される 等
- 仕様変更:
以下の仕様が変更されます
影響する機能・施策・コンテンツがある場合は今後見直しが必要になります
・Graph API&Marketing API v22.0が公開され、一部旧機能が廃止される 等
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規約改定:コミュニティ規定>前文
各下層ポリシーのジャンル分けがなくなりました。並び順はそのままです。
※参照:Community Standards / コミュニティ規定
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/
規約改定:コミュニティ規定>ヘイト行為(旧:ヘイトスピーチ)
名称・URL変更
- 名称・URLが変更になったほか、文中の「ヘイトスピーチ(hate speech)」も「悪意のある行為(hateful conduct)」に置き換わりました。
- Hate Speech / ヘイトスピーチ
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/hate-speech/
↓ - Hateful Conduct / ヘイト行為
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/hateful-conduct/
- Hate Speech / ヘイトスピーチ
ポリシーの基本理念
- ポリシーとして許容の余地がある発言の例のうち、
- 性別によって制限されることの多い空間への入場制限問題
- 性的少数者や移民の権利に関する議論の一環として侮蔑的な表現が用いられること
投稿禁止レベル1(Tier1)
- 保護特性・移民状況の個人/集団に対するヘイト表現の一覧が変更・簡略化されました。
- 対象者の人間性を否定する表現の例から、生物でない物体(汚物等)が除外されました。
- 対象者を不道徳・犯罪に結びつける表現について、「小児性愛者」が例に追加されました。
一方で、犯罪については凶悪犯罪(テロ・殺人級)でないその他の犯罪は例から除外されました。 - 特定の保護特性の存在を否定する発言が禁止例から除外されました。
投稿禁止レベル2(Tier2)
- 経済的排除に関する投稿禁止除外(許可)の例として、軍事・法執行・教員における性別的制限に関する議論や、宗教的信仰に基づいた性指向に関する議論が追加されました。
- 社会的排除に関する投稿禁止除外(許可)の例として、トイレ・スポーツ・健康支援グループ・特定の学校における性別による排除に関する発言が追加されました。
- 精神疾患や異常性に基づく侮辱表現に関する禁止除外(許可)の例として、トランスジェンダリズムや同性愛に関する政治的・宗教的言説において精神疾患や異常性を主張する発言が追加されました。
- 侮辱表現の例が大幅に簡略化されたほか、軽度の不快表現については禁止例から除外されました。
投稿禁止(要周辺情報)
- 保護特性下にある特定の個人/集団を新型コロナウィルスの感染・拡大源と主張し責任を取らせようとするコンテンツが、禁止例から除外されました。
- EU向けの特記事項として、各国の国内法に照らしてヘイトスピーチ対策法違反とみなされる発言については、FacebookやInstagramに法的な削除要請を提出できる、という記述が追加されました。
※参照:Hateful Conduct / ヘイト行為
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/hateful-conduct/
規約改定:コミュニティ規定>いじめと嫌がらせ
投稿禁止
- 「女性の性別に関連する蔑称」の禁止が、Tier1(全ユーザーを保護)からTier4(一般未成年のみ保護)に格下げされました。
※参照:Bullying and Harassment / いじめと嫌がらせ
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/bullying-harassment/
規約改定:コミュニティ規定>誤情報
ポリシーの基本理念
- ファクトチェックシステムの段階的見直し(米国でのコミュニティノート制移行・第三者ファクトチェック機関との提携解除)に伴い、以下が変更されました。
- 第三者ファクトチェック機関との提携について、「世界の大部分で」と地域を制限する記述が追記されました。
- ファクトチェックに関するMetaの考え方に関する記事へのリンクが更新&1件追加されました。
https://about.fb.com/news/2025/01/meta-more-speech-fewer-mistakes※追加
https://transparency.meta.com/features/how-fact-checking-works/
※参照:Misinformation / 誤情報
https://transparency.meta.com/policies/community-standards/misinformation/
規約改定:広告ポリシー>悪意のある行為(旧:ヘイトスピーチ)
名称・URL変更
- 名称が変更になったほか、文中の「ヘイトスピーチ(hate speech)」も「悪意のある行為(hateful conduct)」に置き換わりました。
- なお、コミュニティ規定「ヘイト行為」と連動しており(日本語名は不一致ですが英語名は共通)、広告ポリシー側は広告向けの追加規定として位置づけられています。
- コミュニティ規定と違って、1月末時点ではURLはそのままです。
禁止行為(要周辺情報)
- 移民へのヘイトスピーチ禁止について、「劣等性・軽蔑・追放の表現」といった比較的軽度の表現が禁止対象から除外され、「侮辱・嫌悪感・罵倒の表現」(侮辱は追加)という比較的重度の表現のみが対象となりました。
※参照:Hateful Conduct / 悪意のある行為
https://transparency.meta.com/policies/ad-standards/unacceptable-content/hate-speech/
仕様変更:Graph API&Marketing API v22.0
Graph API&Marketing API v22.0が発表されました。主な変更点は以下の通りです。
米国特定カテゴリー(住宅・雇用・金融)広告への独自顧客リスト使用禁止
- 米国向け広告(もしくは米国を拠点とする広告主が出稿する広告)のうち、住宅・雇用・金融系(米国において差別的扱いが明示的に禁止された特別カテゴリー)の商品・サービスに関する広告については、独自顧客リストを使用したカスタムオーディエンス設定が使用できなくなります。(v22は公開後即時適用、v21までの旧バージョンは2025年3月から適用)
- これに伴い、米国向け広告で住宅・雇用・金融系広告を出稿する場合は、顧客リストが禁止対象(消費者レポート情報等)によるものでないことを証明する必要があります。(2025年3月から広告マネージャー内で表示)
興味のある地域に応じたターゲティング
- 現在地以外の位置情報について、旅行先の情報を検索する等のユーザー行動に応じて、該当ユーザーが地域ターゲティングの広告配信先に含まれるようになります。
例えば、大阪在住の人が東京に観光に行く予定で東京の情報をFacebook内で調べていたりすると、東京向けに配信する情報の配信先にその人が含まれる場合があります。
Instagram旧APIの一部非推奨化
- Instagramのユーザー・メディア・コメントに関する旧オブジェクトがv22で非推奨化されます。該当処理がある場合は新APIでの処理に移行する必要があります。
- 期限はMarketing API使用分については2026年1月21日まで、Graph API使用分については2025年4月21日までです。
- 新APIで非対応のフィールドが処理に影響する場合は、代替処理を実装する必要があります。
- 旧API・新APIの対応は以下の通りです。
- Instagram User → IG User
- Instagram Media・Instagram Carousel → IG Media
- Instagram Comment → IG Comment
条件指定ターゲティング除外設定
- [次の条件に一致する人を除外]
[従業員には自社のビジネスの広告を表示しない]
といったターゲティング時の除外設定が削除されます。
これに伴い、カスタムオーディエンスを使った除外設定も非推奨化されます。
Advantage+クリエイティブの標準エンハンス廃止
- Advantage+クリエイティブを使った広告バリエーションの自動作成について、標準エンハンス(各種基本機能をまとめたもの)のオプトインとプレビューが廃止され、機能ごとに個別にオプトインとプレビューを行う仕組みに変更されます。
Instagramの表示数計測項目変更
- インプレッション数と再生数に分かれていた計測項目が廃止され、[表示回数(views)]に統一されます。
Meta Business SDK v22
- Graph API v22リリース後間もなく、新機能に対応したMeta Business SDK v22もリリースされる予定です。
Facebook/Instagram Graph API・Marketing API旧バージョンの廃止予定
- API新バージョン公開後、旧バージョンは一定の猶予期間をおいたのち順次廃止となります。サイト・アプリ内でAPI呼び出しコードが古いバージョンの場合は、新バージョンへの置き換えをMetaが推奨しています。
- 廃止済みの旧バージョンでの呼び出しコードが放置された場合、自動的に有効なバージョンまで繰り上げられてAPI呼び出しが行われます。このため、自動アップグレードされたAPI呼び出しが成功するかどうかは、新バージョンでの仕様変更の有無に依存します。
- 2025年1月末時点で予定されている廃止スケジュールは以下の通りです。
Graph API旧バージョン(v16~21)廃止予定
- v16(2023年02月02日公開)…2025年05月21日廃止
- v17(2023年05月23日公開)…2025年09月12日廃止
- v18(2023年09月12日公開)…2026年01月26日廃止
- v19(2024年01月23日公開)…2026年05月21日廃止
- v20(2024年05月21日公開)…2026年09月24日廃止
- v21(2024年10月02日公開)…廃止時期未公表
(v15までは廃止済み)
Marketing API旧バージョン(v19~21)廃止予定
- v19(2024年01月23日公開)…2025年02月04日廃止
- v20(2024年05月21日公開)…2025年05月06日廃止
- v21(2024年10月02日公開)…廃止時期未公表
(v18までは廃止済み)
※参照:Introducing Graph API v22.0 and Marketing API v22.0 - Meta Developers Blog (2025/01/21)
https://developers.facebook.com/blog/post/2025/01/21/introducing-graph-api-v22-and-marketing-api-v22/
Graph API Changelog
https://developers.facebook.com/docs/graph-api/changelog
Marketing API Changelog
https://developers.facebook.com/docs/marketing-api/marketing-api-changelog
Changelog for Instagram Platform
https://developers.facebook.com/docs/instagram-platform/changelog
Upcoming restrictions on customer list custom audiences (US only, housing, employment, financial products and services)
https://www.facebook.com/business/help/1452187872132363
Customer List Custom Audience Certification for HEC+FPS campaigns in the US
https://www.facebook.com/legal/customer-list-custom-audience-certification
Making it easier to build integrations across the Instagram API and Marketing API - Meta Developers Blog (2025/01/21)
https://developers.facebook.com/blog/post/2025/01/21/making-it-easier-to-build-integrations-across-the-instagram-api-and-marketing-api/
Removal of Detailed Targeting Exclusions - Meta Developers Blog (2025/01/22)
https://developers.facebook.com/blog/post/2025/01/21/removal-of-detailed-targeting-exclusions/
About Advantage+ creative
https://www.facebook.com/business/help/297506218282224
Get Started with Advantage+ Creative
https://developers.facebook.com/docs/marketing-api/creative/advantage-creative/get-started
Standard Enhancements for Advantage+ Creative
https://developers.facebook.com/docs/marketing-api/advantage-catalog-ads/standard-enhancements/
Marketing API v22.0 Impacts to Advantage+ Creative Enhancements - Meta Developers Blog (2025/01/18)
https://developers.facebook.com/blog/post/2025/01/17/marketing-api-v22-impacts-to-advantage-plus-creative-enhancements/
仕様変更:第三者機関ファクトチェックの見直し
- 誤情報対策としてこれまで実施してきた第三者機関ファクトチェックとの提携を終了し、(X/Twitterの)コミュニティノートに類するユーザーベースのファクトチェックの仕組みをMeta製各種プラットフォームに導入することが発表されました。
※参照:More Speech and Fewer Mistakes - Meta Newsroom (2025/01/07)
https://about.fb.com/news/2025/01/meta-more-speech-fewer-mistakes/
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